欧州が警戒「中国鉄道メーカー」信頼回復なるか 根強い不信感、市場参入へ巻き返しの策は?

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CRRCバイソン
イノトランス会場に展示されたCRRC製の新型電気機関車「バイソン」(撮影:橋爪智之)
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「……今年のイノトランスですが、前回と比べて、少しおとなしめな印象を受けませんか?」

9月にドイツ・ベルリンで開催されたイノトランス(国際鉄道見本市)の会場で、とあるメディア関係者にそう質問された。中国中車(CRRC)が唯一屋外展示した、汎用型機関車「バイソン」を見ての率直な感想だった。

4年前の2018年、CRRCは2両の新型車両をイノトランス会場に持ち込んだ。1両は欧州向け初となるバッテリー式の入れ換え用機関車、もう1両はオールカーボンボディのコンセプト車両であった。さすがにオールカーボンボディはインパクトが強く、多くの来場者が興味津々に展示車両を訪れ、周辺はちょっとした騒ぎのようになっていた。

今年の館内ブースには、ドイツから技術を購入して開発を進めているリニアモーターカーの模型が展示されてはいたが、それはドイツが放棄した「トランスラピッド」の技術を買い取って研究しているもので、特に目新しいわけではない。初のお披露目となった実物が、電気機関車1両だけの展示だったことが、冒頭の感想へとつながったわけだ。

スペックは欧州メーカー製に劣らず

CRRCが今回持ち込んだバイソンは欧州向け汎用型電気機関車で、すでに2021年からチェコのヴェリム試験センターで認可取得のための走行試験を続けている(2022年5月15日付記事「中国鉄道メーカー、欧州で『車両契約解消』の衝撃」)

会場で配布された資料によると、ヨーロッパ域内の4つの電化方式すべてに対応し、1時間定格出力は5600kWと、シーメンス製の汎用機「ヴェクトロン」には若干劣るものの、旧ボンバルディア(現アルストム)の汎用機「TRAXX」に匹敵するパワーを持つ。またプラットフォーム自体は最高時速230km、出力6400kWに対応できる性能を有する。

デザインはドイツのデザイン事務所TRICONに依頼し、メカニカルでシャープな感じに仕上がっている。ハンガリー鉄道の貨物子会社「Rail Cargo Hungaria」(レイルカーゴハンガリア、RCH)とリース契約を結んでおり、認可を取得できればハンガリーを中心とした貨物運用に供される予定だ。

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