日立の新車両「ブルース」、欧州でヒットする条件 電化・非電化両用の「3モード」ハイブリッド車

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
日立「ブルース」
日立が「イノトランス」で実車を展示したハイブリッド車両「ブルース」(撮影:橋爪智之)
この記事の画像を見る(19枚)

2022年9月20日、コロナ禍の影響で4年ぶりの開催となった「イノトランス」。世界中の鉄道関係者から注目を集める世界最大の鉄道見本市であるが、気になるのはやはり日本企業の動向だ。

とりわけヨーロッパの鉄道市場で近年大きな存在感を示している日立製作所は、今回どのような展示を行ったのか。

「3モード」の新型車両

日立製作所は今回のイノトランスに、新型車両「ブルース」1編成を持ち込んで展示した。前面形状は2階建て近郊車両用プラットフォーム「カラバッジョ」と似ているが、低床平屋構造の新たなプラットフォーム「マサッチョ」(Masaccio)をベースにしたハイブリッド車両、HTR412型車両だ。

1編成は3~4両で、主に地方ローカル線での運用を想定した仕様となっており、電化区間はパンタグラフによって電車として走行。非電化区間ではバッテリーをメインとして、電力が不足した際にディーゼルエンジンを回して発電する3つのモードを使い分けることができるシステムとなっている。

気になるバッテリーでの航続可能距離は、現在搭載しているバッテリー単体では約15キロの距離を走行可能(走行区間の条件によって変わる)で、ディーゼルエンジンを外し、大型バッテリーを搭載した場合、100km以上の距離を充電なしで走行することも可能とのことだ。環境のことを考えた場合、いずれはディーゼルエンジンを外す選択肢も視野に入れているだろう。最高速度は時速160kmに達する。

次ページ最大135編成をイタリア鉄道に納入
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事