カワサキ「ニンジャZX4-RR」中型4気筒復活の息吹 扱い切れるミドルクラスのスーパースポーツ

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筆者による試乗シーン
筆者による試乗シーン(写真:三木宏章)

パワーモードの切り替えは「フルパワーモード」と「ローパワーモード」の2種類で、ダイナミックな加速感が持ち味のフルパワーモードに対して、ローパワーモードはスリッピーな路面コンディションやツーリング時に最適化された穏やかなエンジン特性を演出しているので、走行環境に合わせて選べるところも嬉しい。近年は多くのライディングモードを用意しているモデルも多いが、2モードしかない選択も乗り手を迷わせない潔さがある。

KTRC(カワサキトラクションコントロール)は、3段階もしくはOFFの選択が可能。システムはさまざまなパラメーターを監視し、最も効果的に作動するように作られている。単に滑ったからアクセル開度を戻すといった制御ではなく、さまざまな走行条件を瞬時に演算し最良の状態を作るあたり、上位機種からのフィードバックも多いと感じたポイントだ。

最大トルクは39N・m(4.0kgf・m)/13,000rpmとなる
最大トルクは39N・m(4.0kgf・m)/13,000rpmとなる(写真:三木宏章)

インテグレーテッドライディングモードは、「スポーツ」「ロード」「レイン」から選ぶことができ、フルパワーとローパワーのパワーデリバリーとトラクションコントロールが各モードにデフォルトでセットされている。さらにライダーモードにすれば、パワーデリバリーとトラクションコントロールを任意でセットできるので、サーキット等で走りを追求するライダーには嬉しい装備となっている。

日常使いに適したトルク感とギア設定

市街地でも扱いやすいギア比も魅力のひとつ
市街地でも扱いやすいギア比も魅力のひとつ(写真:三木宏章)

それにしても、乗ると素晴らしいエンジン特性だ。実際、日常で使う有効回転数は実質2500~1万回転で、通常走行ではトルクの落ち込みを感じることもなかった。

市街地走行の速度を6速ギアの場合で見てみると、40km/h時に2500回転、50km/h時に3100回転、60km/h時に3800回転、80km/h時に5000回転、100km/h時に6200回転(すべて筆者メーター目視)といった具合だ。交通量の多い市街地から高速巡航まで、最新エンジンらしくトルクをうまく使う、ギアレシオ設定にも好感が持てる。

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