■女子高生から親への波及効果狙う
同商品が展開する4色の容器・香りは、「人気の4色を使い、日焼け止め商品としては珍しい香りも加えて女子高生の遊び心を刺激する」(同記事)とある。日焼け止めは、「これまでは日中に何度も塗り直す必要があるため面倒に思う女子高生が多く定着に時間がかかった」(同記事)という。朝のお出かけ前に制汗剤をつけてお気に入りの香りを身にまとい、同じ香りの日焼け止めをつけて香りを持続させる。本来面倒な作業も楽しみに変わるという寸法だ。
日焼け止めを塗り直して香りをさらにつけるという行為を促すことは、「8×4デオウォーター」への強力な対抗策となる。同商品は、花王が石けんやシャンプー、洗剤、柔軟剤などに用いている、「香りが長続きする」という得意技である、「はじける香りカプセル」を採用しシーブリーズの上を行こうという戦略だ。それに対して、制汗剤の香りを持続させるのではなく、日焼け止めを楽しみながら塗らせて香りをさらにつけるという行為に代替させることができるのである。
「8×4デオウォーター」の同質化戦略をかわしつつ、シーブリーズは別のターゲットも狙っている。「制汗剤の場合、年代別の使用率は10代に次いで40代が高い。子どもにせがまれて買ってきた親が気に入ってそのまま使うケースが多いという」(同記事)とある。40代の親は「元祖シーブリーズ世代」だ。「あら、シーブリーズがこんなにオシャレになっちゃって!」と抵抗なく試用し、お気に入りになる確率は高いだろう。
記事では、「日焼け止めクリームも噴水のように下から上に需要層を広げていけるかも見どころだ」とまとめている。
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