「オデッセイ」はどんな理由で売れていたのか? ユーザー分析で見えたホンダ内での存在意義
それ以外の3車種(エスティマ、アルファード、エルグランド)は、オデッセイより少し下の65%程度だった。このことから、オデッセイはステップワゴンよりも見た目を重視する層を多く取り込んでおり、同じく外観デザインを重視するヴェルファイアなどと競い合っていたと見ることができる。
オデッセイの一時終売によって、こういった顧客をホンダが逃した可能性は否定できない。
次に「走る楽しさ」「高速走行時の安定感」については、ミニバンでありながら低重心で「走りの良さ」を強みとしてきたオデッセイらしい結果である。「乗り降りのしやすさ」も、低床によるメリットが示された結果であろう。
各車に「あてはまるイメージ」の結果も紹介する。こちらはオデッセイを購入した人はオデッセイについて、エスティマを購入した人はエスティマについてのイメージをそれぞれ回答した結果である。
オデッセイでは「スポーティ」「高性能・走りのよい」「運転を楽しめる」において高い値となっており、低床プラットフォームによる独自の強みが出ているといえる。
トヨタ「ウィッシュ」やホンダ「ストリーム」といった背の低いミニバンから、「ノア/ヴォクシー」やステップワゴンのような背の高いミニバンが好まれるようになって久しい。そのトレンドは軽自動車にまで波及し、ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」といった、大空間でスライドドアを持つスーパーハイトワゴンが大人気となっている。
そういった環境下においてもオデッセイは、「低床・低重心」という独自性を打ち出し続け、「走りの良さ」といったイメージが当時の購入者に十分届いていたことがわかる。
ただし、この結果は「オデッセイ購入者のオデッセイに対するイメージ」評価であるので、低床・低重心よりもアルファード/ヴェルファイアなどの背の高いミニバンを好んで購入した人々が存在することには、留意する必要がある。
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