「オデッセイ」はどんな理由で売れていたのか? ユーザー分析で見えたホンダ内での存在意義

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トヨタのエスティマはトヨタからの乗り換え率が84%、日産のエルグランドも日産からの乗り換えが72%となっている中で、オデッセイはホンダからの乗り換えが68%と、同一メーカーからの継続購入率がやや低い。次に前有車の車種についても見てみよう。

オデッセイは、オデッセイからの乗り換えが32%。一方で、エスティマはその倍近い56%となっており、先の前有車メーカーのランキングと合わせて見ても、「トヨタからトヨタ」へのスムーズな乗り換え状況がはっきりと出ている。

2006~2020年の長きにわたり販売されたエスティマの最終型(写真:トヨタ自動車)
2006~2020年の長きにわたり販売されたエスティマの最終型(写真:トヨタ自動車)

エスティマ以外はいずれも3割程度が同一車種からの乗り換えであり、オデッセイと近い。オデッセイは四半世紀以上販売されていたモデルであるし、他の車種もロングセラーかつ人気モデルゆえに高い値であるといえる。

なお、直近のアルファード/ヴェルファイア購入者においては、同一車種からの乗り換え率はさらに上昇して4割程度となっており、トヨタによる包囲網はより強固になっていると言えよう。

今回の比較対象となった3代目アルファード。写真は2017年にマイナーチェンジした後期型(写真:トヨタ自動車)
今回の比較対象となった3代目アルファード。写真は2017年にマイナーチェンジした後期型(写真:トヨタ自動車)

ちなみに、購入したクルマの他に「何台所有しているか」では、オデッセイ、ステップワゴンの購入者は世帯内に別のクルマを持たない人(1台のみ保有)が50%と高かった。複数台保有者の割合が最も多いのはヴェルファイアであり、62%のユーザーが2台以上保有している。

「購入時の重視点」はオデッセイならでは

続いて「購入時の重視点」を見ていこう。オデッセイで重視されているのは、「スタイル・外観」「内装デザイン」「走る楽しさ」「乗り降りのしやすさ」「高速走行時の安定感」となっている。

特に「スタイル・外観」と答えた人は7割を超えており、ヴェルファイアと近い値となっている。「内装デザイン」もアルファード/ヴェルファイア、エルグランドには及ばないものの、高い。

一方、同じホンダのステップワゴンは、「スタイル・外観」「内装デザイン」ともに低く、選ばれる理由が違うことは明らかだ。

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