碧桂園は、かつては中国の不動産大手のなかで相対的に財務状況が健全と見られていた。ところが、2023年8月に一部の社債の利息を期日までに支払えなかったことをきっかけに、厳しい資金繰りが表面化。総資産1兆6200億元(約34兆円)、総負債1兆4400億元(約30兆円)を抱える同社の経営危機は、業界関係者に衝撃を与えた。
その後、同社の生命線である不動産販売収入は大幅に減少。碧桂園の2022年の権益販売額(訳注:未完成物件の予約販売収入)は月間平均298億元(約6195億円)に上っていたが、2023年8月には3分の1未満の79億8000万元(約1659億円)に激減し、9月以降は70億元(約1455億円)を割り込む窮状が続いている。
資金繰りは綱渡り
ある金融業界関係者の試算によれば、碧桂園が日常的な企業経営を維持するためには最低でも月間220億元(約4574億円)以上、理想的には同250億元(約5197億円)以上の売り上げが必要だという。
しかもこの試算は、短期債務の返済や(新規開発用の)土地取得費用の支出を止め、未完成物件の建設と予約購入者への引き渡しに専念したと仮定した場合のものだ。碧桂園の実際の収入はそれに遠く及んでおらず、資産売却でしのいでも資金繰りは綱渡りが続きそうだ。
(財新記者:王婧)
※原文の配信は1月22日
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