「コロナ禍→YouTube5500万再生」歌手、驚く正体 野田愛実「ピンチをチャンスに変えた」大胆戦略

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こうして投稿を続けたYouTubeは話題となり、野田の歌は多くの人に知られるところになった。

当然のようにレコード会社、音楽関係者の目にもとまり、2023年7月にavexよりメジャーデビューすることとなる。

YouTubeが「メジャーへの道」を切り開いた

2021年、日本テレビ系の朝の情報番組「スッキリ」に出演。

背景にはYouTubeを見たアーティスト川谷絵音氏が野田の歌声を絶賛。同番組のおススメのアーティストを紹介する企画で、野田を推薦したことがきっかけだった。

そして番組で野田は4曲カバー曲を披露。地上波で野田の歌声がお茶の間に届けられ、その日のうちにレコード会社から連絡が入る

コロナ禍で始めたYouTubeがメジャーに届いた瞬間だった。

そして野田は今、何を思い曲を作り歌うのか。

「毎日頑張っている人たちと一緒に悲しんだり、喜んだり、笑ったり、泣いたりできる。そんな寄り添える曲を作りたいなと思ってます。特別なことじゃなくて、日常の些細なことを描けたら、素敵なことだなと」

そんな野田の思いを代表するのが「hands」という曲だ。

オリジナルソング「hands」(Official Concept Video/野田愛実公式YouTubeより)


 「私自身もそうなんですけど、大人になればなるほど他人に弱みは見せられなくなりますよね。だから、生きていく中で寂しい時もあって、そんな抱えてる寂しさを共有し、共鳴し合いながらお互いに手を差し伸べて支え合っていきたいって、そんな思いをこの曲に込めました」

「hands」を聴き感じる、奥行きのある歌声に力強さ。歌詞に登場する「君」との物語はその実、野田の過去からの思いが凝縮されているようだ。

幼少の頃より当たり前のように歌い育ってきた。けれどもコロナ禍で自身が何者かわからなくなり、はじめて歌うことの意味を見失いかけた

けれども、誰にも見せられなかった自身の弱み。苦しかった思い。それらがこの曲には散りばめられている。

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