株投資する人が押さえておかないと危ない重大事 財務諸表は投資先企業の「商品レビュー」だと思え

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投資は確率のゲームといえるため、失敗をできるだけ減らすことが重要になります(写真:bee/PIXTA)
新NISAのスタートで投資に注目が集まっています。積立投資だけでなく個別株式への投資も非課税枠が拡大されました。もし、個別株に投資するなら会社の財務諸表に目を通さずに買うのは推奨できる行為とはいえません。
韓国で100万部の大ヒット。とてつもなく貧しい境遇から成り上がり、韓国人として初めて、アメリカの外食産業で大成功した希代の起業家、キム・スンホ氏が語る「伝説のお金の授業」を邦訳版として書籍化した『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』から一部抜粋、再構成してお届けします。

投資には情報と心理の両側面がある

バリュー投資とは、成長が望める企業の株式を適正価格で買い入れ、適正価格より値上がりしたら売ることだ。これは容易に理解できるだろう。このとき、株の適正価格を調べるツールとして最も適切なのが、その企業の財務諸表だ。

だが、一般人が企業の財務諸表を理解するのは簡単ではない。用語からして難しく、見ただけではなかなか理解できない。ならば、財務諸表を最もよく理解しているはずの会計士たちは、投資もうまいのだろうか。

投資には情報と心理の両方の側面がある。情報面は、財務諸表を理解して解釈する能力だ。私たちはAmazonで20ドルのアイシャドウを買うときも、商品レビューの星の数が4個以上あるかどうかを確かめ、購入者がどんな不満を持っているのかをチェックする。

書店で1000円の本を1冊買うときも、事前に書評を読む。ところが、株を買うときには商品レビューも書評も見ずに、根拠もわからない噂だけで、数百万~数千万円を注ぎ込むという非理性的な決定をしてしまう。

株を買うなら、株の商品レビューにあたる財務諸表を読むべきだ。

また、財務諸表は一種の成績表でもある。企業の成長性を確認するのに、財務諸表ほど適切なものはない。過去から現在まで、その企業がどれほどがんばったかがわかるからだ。

大学入試を控えた受験生の成績のようなもので、これまでに成績がよかったら、これからもいい成績をとりそうだと予測できる。

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