ピアノの調律師だからといって演奏がうまいわけではないように、会計士も帳簿によって会社の品質検査をするだけで、事実を確認したからといって株の売買のタイミングが正確にわかるわけではない。
なんと幸いなことか。さもなければ、この世の富はすべて会計士のものになっていただろう。
もちろん、品質検査の結果に他人より早くアクセスできるなら、投資でかなりの利益を上げることができるだろう。だから、上場会社の監査にあたる会計士は、その会社に投資できないよう法律で禁じられているのだ。
人生で「必ず一度やるべき勉強」とは
じつは、これは非常に簡単な問題だ。
あなたがある会社の株を持っているなら、自分がその会社の社長になったと考えてみよう。部下に頼んで今月の財務諸表を持ってきてもらう。自分の会社の状態を理解するには、財務諸表を読み込んで、状況を把握できなくてはならない。1日かけて、じっくり数字に目を通してほしい。そうやって自分が経営者になったつもりで財務諸表を見ていれば、その意味が解釈できるようになる。
すばらしいではないか。株主でも社長気分になれるのだ。
理解できないところがあれば、自分から勉強し、質問すればいい。こうした能力は、会計士だからといって特に優れているわけではない。英語の小説を読むためにアルファベットと単語をがむしゃらに暗記するように、会計も用語と仕組みを学ぶことで解釈できるようになる。
富を蓄えて投資者として成功したければ、財務諸表の勉強は必須だ。
私は自分にとってある知識が必要だと思えば、関連の本を30冊ほど一挙に買うようにしている。例えば会計について学びたければ、漫画で学ぶ会計学のような入門書から大学の教科書に使われるような専門書まで買いそろえ、1カ月でも2カ月でも一定レベルの知識が身につくまで、じっくり読んでみるのだ。そうやって大学で専門科目を履修したように勉強に集中すると、ある程度の理解ができるレベルになる。
どうせ人生で一度くらいはやるべき勉強だ。書店の棚に並んでいるレベルもさまざまな会計学の本をすべて買い、関連の講演も聞いて回ろう。
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