黒柳徹子の「質問」にゴルバチョフのすごい返し タレントというジャンル確立した彼女の仕事観

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黒柳は、ロシア侵攻後のウクライナで見た映像に触発され、続編を書こうと思ったという。そして、彼女は母親が一家を東京から北日本に疎開させた戦時中の子ども時代の記憶を掘り起こした。

「戦争が悪いことだとは言っていませんが」と、黒柳は言う。「戦争を体験した子どもの気持ちをわかってほしい」。

政治家のインタビューは避けてきた

黒柳は子どもらしさを失わない。インタビューのために、彼女は特徴的な玉ねぎヘアのお団子から変え、アッシュブロンドのシャーリーテンプル風カーリーボブのウィッグの下に自分の髪を隠し、巨大な黒いベルベットのリボンで固定した。

それはすべて、彼女が何十年にもわたって培ってきた、威圧的でない人格の一部である。専修大学経営学部の教授で、ジェンダー問題を研究している根本宮美子は、「彼女はちょっと愛らしくてかわいい」と話す。「彼女は何かを批判したり、政治的なことを持ち出したり、否定的なことを言ったりしません」。

そのためか、ゴルバチョフは別として、黒柳は政治家とのインタビューを避けてきた。「彼らが本当のことを話すのは難しすぎます」と黒柳は話す。「それに、彼ら全員にいい顔はできません」。

アメリカの画期的なニュース・ウーマンであるバーバラ・ウォルターズと比較されることもあるが、黒柳はインタビュー対象者に無理強いはしない。プロデューサーは事前にゲストが避けたい話題や進めたい話題を尋ね、黒柳はそれに応じる傾向がある。

今週の収録では、歌舞伎役者の6代目中村勘九郎をゲストに迎えた。中村はテロップが流れる前に、家族についての質問を予期していたようだ。

黒柳徹子
(写真:Noriko Hayashi for The New York Times)

「ゲストが変な人、悪い人だと視聴者に思われないようにコントロールすることを一番大切にしています」と黒柳は語る。「できれば、『ああ、この人はなかなかいい人だな』と思ってもらいたいんです」。

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