放射能土壌汚染に立ちすくむ、福島農業の期待と現実


 農地除染の肝は半減期が30年と長く、かつ土壌への吸着性が高いセシウム137の除去だ。複数の除去方法のうち、有力視されているのは、1.表土の削り取り、2.放射性物質の吸着剤散布、3.土壌中の放射性物質を取り込みやすいヒマワリなど植物の栽培(表)。すでに、6月13日には削り取り作業を開始。20日には田植えを行った。


帰還への第一歩を踏み出したかに見えるが、関係者の顔色は思わしくない。実はチェルノブイリでの研究から期待されていた、水による土壌洗浄の効果が薄かったのだ。中谷研究官は「チェルノブイリよりも土壌がセシウムを多く吸着している可能性もある」と懸念を示す。

前述の三つの方法も効果は不透明だ。そもそも、農地除染は世界でも研究が乏しい。日本でも1960年代には研究が盛んだったがその後は尻すぼみ。現在、農水省傘下の独立行政法人に約3000人程度いる研究員のうち、放射能専門の研究員はわずか3名程度。さらに除染の効果は作物の種類、土壌の性質や気候、栽培方法などで、10倍から100倍程度の差が現れると推測されている。中谷研究官も「8月に結果が出るまで効果はよくわからない」と認める。

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