「旧式」装備を大人買いする防衛省の無責任さ 無反動砲に見る「ずさんな装備調達」の実態

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防衛予算増により、国が2023年度に大人買いした無反動砲「カールグスタフM3」(写真:陸上自衛隊)

防衛装備庁と自衛隊、とくに陸上自衛隊は装備調達がずさんである。その典型例が、スウェーデンのサーブ社が開発する口径84mmの無反動砲「カールグスタフM3」の調達だ。

無反動砲とは、発射の際に発生する爆風を後方に噴出させて、砲身の後退を軽減するようにつくられた火砲。小型軽量で、主に装甲車両や陣地などの攻撃に使用される。また照明弾を打ち上げるためにも多用されている。

陸幕は継続調達が不明なM3を選択

陸上自衛隊は豊和工業がライセンス生産していたカールグスタフM2の後継として、その後開発されたM3を2012年度に採用した。M3は輸入調達となったが、輸入となったのは調達数が国内生産すると非現実的なコストになるからだろう。輸入は住商エアロシステムが担当している。

実は2014年にサーブ社はさらに次の世代のM4を発表していた。陸自が採用した2012年以前からM4の開発はすでにアナウンスされていた。M4の生産が開始されればM3の生産は終了となる。

数年待てば新型が調達できるのに、陸上幕僚監部(陸幕)はあえて生産終了直前に旧式化し、継続調達が可能かどうか不明なM3を選択したのだ。

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