「旧式」装備を大人買いする防衛省の無責任さ 無反動砲に見る「ずさんな装備調達」の実態

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M3の重量は約10キロだがM4はそれより3.4キロも軽い。近年、歩兵の個人装備の過重化が問題となっており、3.4キロの差は大変大きい。全長は950ミリでM3よりも115ミリ短い。安全装置が追加され、弾薬を装填したたま安全に携行することが可能である。

M4は火器管制装置が装備でき、電子信管をセットすることによって、敵の頭上で弾頭を空中炸裂させるプログラム機能も有している。性能には歴然とした差がある。

そしてM3の調達も混迷した。2014年度から2022年度まで61門、年に平均10門に満たない。これは軍隊の調達数とは言えないほど少ない。しかも2017年度から5年間は調達されなかった。

陸幕はほかの装備の調達を優先したというが、もうすぐ生産が終わろうという装備の調達を5年間も停止したのだ。

防衛予算増で325門を大人買い

 【カールグスタフM3の調達推移】
   2012年度 3門 0.3億円 
 2013年度 17門 2億円   
 2014年度 24門 3億円  
 2015年度 6門 0.6億円 
 2016年度 3門 0.3億円  
 2017年度 0門 0円
 2018年度 0門 0円
 2019年度 0門 0円
 2020年度 0門 0円
 2021年度 0門 0円
 2022年度 8門 1.1億円 
 2023年度 325門 35億円  

5年間の調達停止の後、2022年度の調達はこれまたわずか8門である。ところが、翌2023年度は急に325門を大人買いした。これは岸田内閣が防衛力整備計画で予算を大幅に増やしたからこそ可能となった。

防衛費は2022年度当初予算と比べて26%増、1兆4192億円増額され6兆7880億円となった。これがなければ従来通り、せいぜい年に10門程度の調達になっていただろう。そうであればサーブ社は今年でM3の生産ラインを閉じていただろう。

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