営業で断られ続けてもメンタルが折れない方法 "YES"の数より"NO"の数を目標にする

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このようなキャンセルのことをセールスの世界の隠語で「飛ぶ」と表現しますが、せっかく苦労して契約までいったのに、土壇場で半分の2件が飛んだ私は、かなり落ち込みました。

それで、そのキャンセルがあった直後に、デスクの横に掲示していた「お客様の営業進行状況表」の最後の「キャンセル」という部分を見つめて、営業電話もかけずに、ぼーっとしていたんですね。

そんな私の姿を見た、10年選手の大先輩が声をかけてくれました。

その先輩も、「面白いヤツが入ってきた」と、私に目をかけてくださっていた方です(こうして振り返ると私は本当に人に恵まれています)。

「悩み」は今のステージを知る「ものさし」

「あれ、どうした浅川、元気ないのか?」

「いや、せっかく頑張って4件ご契約いただいたのに、最後の最後で2件も飛んでしまったんですよ」

私の言葉を聞いた先輩は、ちょっと微笑みながらこう言ったんです。

「お前、馬鹿か? あのさ、ちょっと頭を上げて後ろを振り返って、フロアを眺めてみろよ」

「あっ、はい……」

「見えるか? あれはお前の先輩たちだよな」

「はい。もちろんそうです」

「アイツらは、今、契約のドタキャンで悩んでいるか?」

「いえ、悩んでいません」

「だろ。もっと言うと、お客のキャンセルで悩めるところまでいっていない。ほとんどのヤツは、お客とのアポが取れないとか、3カ月で1件の契約が取れないとか、そんなことで悩んでる。それなのに、お前は、入社1カ月目で、もうお客のキャンセルで悩むことができてる。それってすごいことだと思わないか? 正直、俺はここで10年以上もやってるけど、いきなり入社初月にお客のクーリングオフを経験したヤツを見たことがない。お前は『持ってる』。たった1カ月で全部経験しちゃったんだから」

その言葉を聞いて思いました。

ああそうか……悩みはステージだったんだ。

仕事について、どんな悩みを持っているというのは、その人が今、立っているステージのレベルの目安なのです。新人社員は「今の自分の仕事」や「職場での人間関係」などで悩むでしょうし、課長は「課のノルマの達成」や「部下の指導・育成」などで悩む。そして、社長は会社の事業計画や損益で悩む……。

それぞれで悩むことが異なるのは、立っているステージが違うからです。私は先輩の言葉で、悩みは自分の立っているステージを知るための「ものさし」なのだとわかってから、新たな悩みが出てきたときも、「よし、こんなことまで悩めるようになった」と、思えるようになりました。

あなたの今の悩みはいかがですか? 自分の現在のステージに合った悩みなら、悩んで当たり前ですから落ち込む必要はありません。

むしろ、来年の今頃も、同じことで悩んでいたらまずいと思ってください。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事