地方都市の「ファスト風景化」勝手に憂う人の病理 車なしで暮らせる都会人の「一方的な郷愁」だ

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なぜ、人はファスト風景(風土)を批判するのか(写真:T-Urasima/PIXTA)
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X(旧ツイッター)上で、「ファスト風景」なる言葉が話題となった。地方都市の風景が、その都市ならではの魅力を失い、「よくある東京郊外の風景」になってしまっていることを憂うワードのようだ。
だが、『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』などの著作を持つチェーンストア研究家・谷頭和希氏は、この憂いについて「郊外の実態を捉えられていない」と述べるとともに、「なぜ、人はファスト風景(風土)を批判するのか。それは、私たちが『自動車』の作り出す風景に慣れていないからだ」と指摘する。

地方都市が平成の間に「ファスト風景」化?

「ファスト風景」という言葉が話題らしい。

発端となったのは、ひとりのX(旧ツイッター)ユーザーによる投稿だ。

当該ユーザーを貶める意図は本稿にはないため、ここではポストそのものは紹介しないが、そのユーザーはロードサイドの写真を4枚添付しつつ、地方都市が平成の間に「ファスト風景」化したと指摘。「東京から遠い首都圏郊外」になっていることを嘆いている(ように筆者には見えた)。

共感が寄せられる一方で、この投稿には批判も多く寄せられている。

「実際そこで生活してない奴らが好き放題言ってんじゃねえっての」「地方都市がファスト風景化してる論見かけるたびに『地方都市はどんなに発展しても東京郊外の劣化版なんだから、いつまでも不便なままの『古き良き日本の風景を残しておいてくれよ、都会の人間のために』みたいな傲慢さが裏に見えてだいぶムカつく」「ファスト風景にならないところはほぼ限界集落なんよ。都会の便利さを田舎に持ち込んだらそりゃそうなりますがな」……などがその例だ。

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