"時代に恵まれた"後輩ママへの複雑な思い

ワーママ"第一世代"の苦悩

ああ、痛いほどお気持ちわかります~!!このご相談、読んでいたら個人的にとてもとても共感してしまって。順番を飛ばしてご一緒に考えてみることにしてしまいました。

くよくよ、メソメソしたって仕方がないことだ、と頭でわかっていても、複雑な感情が渦巻いてしまう。管理職としては、そんな感情を抱いているそぶりは人には見せられないわけだし、ひとりでぎゅっと唇を噛みしめて、懸命に振舞って過ごしているのでしょう。苦しいでしょうね……。

”開拓者”たちには、複雑な感情がある

その気持ち、吹っ切らなくていいんじゃないでしょうか。というか、無理に吹っ切ろうとしても吹っ切れるものではないとも思います。今よりずっと生きにくかったヒラ社員時代や、駆け出しのワーキングマザー時代に、ぐっと飲みこんできた気持ちや泣く泣く諦めたもの、今になって襲ってくる後悔や若い世代への嫉妬、こういう苦しさこそがこの連載に声を寄せてくださる「キャリア女」の等身大の姿のひとつなのだし、最後は、そのままをみんな自分で受け止めるしかないと私には思えるのです。

40代半ばということですから同世代ですね? 女性総合職として入社して、同期の一般職女性たちとの人間関係もいろいろあったでしょうし、男性上司や顧客とのやり取りにおいても、悔しい思いもラッキーなこともたくさんあったことでしょう。

そんなあなただからこそ、開拓者として、会社のワーキングマザー道を切り開くことができたのです。会社もそれを高く認めているだろうし、社内でもゴッドマザー扱いされているかもしれない。続々と復職してくる後輩たちは、あなたの背中を見て、「ああしよう」「私ならこうする」と選択の一助にしてきたに違いありません。

あなたは誰の背中も見る事が出来なかったのに、ひとつの生き方を見せてあげることが出来ている。これは、社史に「太字」で表記されてもいいくらいの偉業です。複雑な思いも後悔も嫉妬も、みんな含めて、あなたの背中なんだと思います。たくさんの視線が注がれている背中です。

仕事でさまざまな世代の女性にインタビューをさせていただくのですが、50代半ばの女性陣は、「無我夢中でやってきただけで、私なんて……」とおっしゃることが多いのです。20代からのご苦労や決断を伺うと、それはもう涙が出るくらいドラマがあり、今の晴れやかな表情からは想像できないほど、歯を食いしばって仕事を続けてきたんだなとわかることがあります。

そんな彼女たちのひとりに、「若い世代の女性たちとは、こういう話をされるのですか?」と聞いてみると、「するわけないじゃない」とびっくりした顔をされたことがありました。

そして「産休しか取れなかった、時短なんかなかった、と苦労話をしたところで、所詮は昔話で今の人たちの参考になんてならないもの。それどころか、価値観を押し付けてくるなんて思われたら、面倒くさいでしょ」と彼女はさらりと続けました。

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