松本人志氏の性加害疑惑対応に見る「空気の変化」 ジャニーズ問題も経て変わりゆく「日本企業の対応」
その直後から、民放番組でも松本氏出演の番組の提供スポンサー表示が消えたり、番組内のCMがACジャパンに差し変わったりしている。年始の能登半島地震やそれに続くJALと海保機の航空機事故などで自粛モードにあったことは事実だが、それだけでは説明はできない。
松本氏の報道を受けて放映を見送ったといった表明はなされてはいないものの、「いったん、放映や社名表示を取り下げて様子を見る」という判断が各企業でなされたであろうことは想像に難くない。
ジャニーズ問題を経て変わった「空気」
ジャニー喜多川氏の性加害事件では、昨年9月7日に旧ジャニーズ事務所の記者会見で正式に事務所側が性加害を認めるまで、テレビ局もスポンサー企業も出演タレントの起用を続けていた。その直後にドミノ倒しで起用を取り下げたことに対して、「手のひら返し」という批判がなされた。
起用する側としては、「事実確認ができていない段階で取り引きを打ち切るのは好ましくない」という判断があったのだろう。しかし、ジャニーズ事務所の性加害問題について事後に明らかになった想定以上の被害の規模や、自殺者まで出てしまった顛末を鑑みると、事実が確定していない段階でも「状況を注視する」「推移を見守る」として判断を先送りすることは、「責任逃れ」と批判されかねない状況にある。
芸能関連に限らず、企業のリスク対応のトレンドは、「疑わしきは静観」から、「疑わしきはいったんストップ」へと移行しつつあるといえる。それは昨年に起きた一連のジャニーズ騒動への対応で右往左往した日本企業が学び取ったことかもしれない。
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