台湾、3期目を迎える民進党政権が抱える苦悩 若い世代の忌避感が生んだ「ねじれ議会」

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台湾総統選で当選を決め記者会見する頼清徳氏(左)と副総統候補の蕭美琴氏(写真:Bloomberg)
台湾総統選で当選を決め記者会見する頼清徳氏(左)と副総統候補の蕭美琴氏(写真:Bloomberg)

1月13日に投票日を迎えた台湾総統選は即日開票され、民進党の頼清徳候補が当選した。アメリカと密接に協力し、中国の圧力に対峙してきた蔡英文政権の路線が引き継がれる。同一政党が3期連続で政権を担うのは台湾が民主化して以来、初めてとなる。

一方、同時に行われた立法委員(国会議員)選で民進党は苦戦を強いられた。同党は単独過半数がとれず少数与党に転落。議会第1党の座も最大野党の国民党にゆずった。ただ二大政党とも立法院(国会)では過半数がとれず、第3政党の台湾民衆党がキャスティングボートを握ることになる。

台湾の今後4年間はこれまでの8年間と路線は変わらない。しかし、政局の混乱による政策の停滞が見込まれる。中国が台湾独立勢力と見なす民進党政権が3期続く初めての状況でもあり、台湾の政治状況によってはアジア太平洋地域の安全保障環境が不安定化する恐れもある。

民進党は辛勝、第3政党が健闘

「台湾の皆さんに、一緒に民主主義の新たなページを書き下ろしたことを感謝します」。頼清徳氏は高らかに勝利を宣言した。得票率40.1%と、国民党の侯友宜候補に7%の差をつけた。

今回の選挙では、民進党は蔡英文路線の継続を問い、国民党は「戦争か平和か」を問うものだと位置づけていた。米中対立が激化する中で、アメリカと密接に協力して対中抑止を取り組んできた蔡英文政権の外交政策を評価するのか、そして今後は中国とどのような距離感をとるのかを両党は争点化しようとした。
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