日本の電機メーカーはCESで「ど派手演出なし」 韓国・中国勢を横目に新製品展示から距離置く
とくにCESの主要会場、セントラルホールの入り口にあるLGのブースでは、新たに発表した透過型の有機ELディスプレーが常時前後に移動しアピール。多くの人が撮影のために足を止めていた。
中国の大手家電メーカーも派手さでは負けていない。ハイセンスは110インチと巨大なミニLEDのテレビを中心に、開発中の高性能プロジェクターなど、新製品を並べた。液晶大手のTCLも巨大なディスプレーを展示し、映像のきれいさ・薄さ・大きさを誇示している。
日本の電機メーカーのブースは、こうした中国・韓国メーカーのブースと対照的な構成だ。
新製品はほとんどなく、ストーリー重視
パナソニックのブースは全体が白い布で囲われており、照明もやや暗い。BGMもなく、全体的に静かで落ち着いた印象だった。
複数区切られたブースの入り口では、まず環境への取り組みに関するプレゼンテーションと説明を受ける。ここでは、水素や次世代の太陽電池「ペロブスカイト」についてなど、エネルギー関連の説明が中心だ。
次のコーナーでは、プラスチックに代わる素材としてパナソニックが独自に開発している「kinari(キナリ)」の説明と、サーキュラーエコノミー(循環経済)についての解説がある。資源の最適な活用と地球環境保護のためにパナソニックが行っている活動が紹介されている。
さらにその次のコーナーまで来てやっと具体的な商品の展示がある。電子レンジやひげそり、ヘアドライヤーなどの得意とする製品が並ぶ。ただ強調されているのは性能ではない。それぞれの製品を使うことで「環境への負荷をどれぐらい下げられるか」だ。
新製品の展示が少ないのはソニーも同様だ。ソニーは映画の撮影をシミュレーションできる技術や撮影スタジオを模したセットを展示したほか、EVのモックアップ(実物大模型)や「プレイステーション5」の新作タイトルの先行プレイなども用意した。
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