はやみねかおるが「意地でも伝え続けたい」こと 作家の原点は生徒からの「おもしろくない」

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「都会のトム&ソーヤ」「名探偵夢水清志郎」「怪盗クイーン」各シリーズなど、多数の作品で人気を集める児童文学作家のはやみねかおるさん。はやみねさんが子どもたちに「意地でも伝え続けたいこと」とは(写真:不登校新聞より)
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「子どもたちには『今が一番楽しい』と意地でも言い続けたいんだ」と語るのは、児童文学作家・はやみねかおるさん。はやみねさんは、2人の中学生が推理と冒険をくりひろげる『都会のトム&ソーヤ』シリーズなど多数の作品で人気を集めています。
はやみねさんに自身の子ども時代のことや、子どもたちへの思いについてうかがいました。

本やマンガを読むことが好きだった

――はやみねさんは、どのような子どもでしたか?

本やマンガを読むことが好きな子どもでしたね。手塚治虫が『ブラック・ジャック』の連載を始めたのが、僕が小学生のころです。『週刊少年ジャンプ』や『週刊少年マガジン』、『週刊少年チャンピオン』などのマンガ雑誌を友だちと夢中で読んでいました。当時読んでいた本は今も自宅の屋根裏部屋に並んでいます。高校を卒業するまでは、毎日の風呂焚きが僕の仕事だったんです。五右衛門風呂って知っていますか? 湯おけの下にかまどがあって、薪をくべて火を起こすんです。

当記事は不登校新聞の提供記事です

火を焚きながらも本はずっと読んでいました。シャーロック・ホームズのシリーズや、年の離れた兄の本棚にあったヴァン・ダインやクロフツ、アガサ・クリスティなど、全盛期と言われている時代のミステリー小説も読み漁りました。勉強もせずに1日1冊くらいのペースで本を読んでいましたね。

大学1、2年生のころも、授業へ行かずに四畳半の部屋にこもってずっと本を読んでいました。毎月アルバイトをして稼いだお金がほとんど本に消えて、家賃も払えなくなるくらいでした。今ふり返るとよく卒業できたなと思います。

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