私は起業家としての仕事に集中し過ぎて、料理に対する情熱を疎かにしてしまいました。私が思う田舎暮らしの利点は不動産価格でしたが、欠点は自分が出す料理に高い値段を付けられないことでした。
そこで、技術をさほど必要としない、シンプルな低価格のメニューを出すことにしました。この商売は上手くいきませんでした。私は落ち込んで、自分は何をやっても駄目だと感じていました……。
夫はこう言ってくれました。「君は商売じゃなくて料理が好きなんでしょう?君は凄いシェフだけど商売は苦手だ。レストランをあと6カ月続けられるだけのお金はあるんだから、君がハッピーになれることをやったらどう?」。
私の料理を食べた人は皆、「才能あるよ」と褒めてくれていましたが、私にはまだ料理の腕前には自信がありませんでした。プロとしてのトレーニングを受けたことがなかったからです。
厨房はスーパーマンの電話ボックスと同じ
厨房は私が集中と尊厳を取り戻せる唯一の場所です。厨房は私だけの変身ゾーンなのです。私はそこに入るたびに違う人間になったように感じます。スーパーマンにとっての電話ボックスのようなものです。
自分の欠点に向き合わなければなりません。私は厨房以外のあらゆる場所ではADHDなのです。
私は自分の料理の才能を信じようと決心し、質の低いファストフードを作るのをやめました。利益を寄付するというアイディアも捨て(そもそも一文も稼いでいませんでした)、店名を「51ファーム」から「チョイチョイキッチン」に変えました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら