職場をクビ→43歳でシェフになった女性のその後 未経験ながら香港でレストランを開いたら…

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私は起業家としての仕事に集中し過ぎて、料理に対する情熱を疎かにしてしまいました。私が思う田舎暮らしの利点は不動産価格でしたが、欠点は自分が出す料理に高い値段を付けられないことでした。

そこで、技術をさほど必要としない、シンプルな低価格のメニューを出すことにしました。この商売は上手くいきませんでした。私は落ち込んで、自分は何をやっても駄目だと感じていました……。

夫はこう言ってくれました。「君は商売じゃなくて料理が好きなんでしょう?君は凄いシェフだけど商売は苦手だ。レストランをあと6カ月続けられるだけのお金はあるんだから、君がハッピーになれることをやったらどう?」。

私の料理を食べた人は皆、「才能あるよ」と褒めてくれていましたが、私にはまだ料理の腕前には自信がありませんでした。プロとしてのトレーニングを受けたことがなかったからです。

厨房はスーパーマンの電話ボックスと同じ

厨房は私が集中と尊厳を取り戻せる唯一の場所です。厨房は私だけの変身ゾーンなのです。私はそこに入るたびに違う人間になったように感じます。スーパーマンにとっての電話ボックスのようなものです。

自分の欠点に向き合わなければなりません。私は厨房以外のあらゆる場所ではADHDなのです。

私は自分の料理の才能を信じようと決心し、質の低いファストフードを作るのをやめました。利益を寄付するというアイディアも捨て(そもそも一文も稼いでいませんでした)、店名を「51ファーム」から「チョイチョイキッチン」に変えました。

キッチンで調理をするチョイさん(撮影:尾形文繁)
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