職場をクビ→43歳でシェフになった女性のその後 未経験ながら香港でレストランを開いたら…

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私を支えてくれる多くの方は、私の料理を気に入ってくれるだけでなく、料理をめぐる私の身の上話にも励まされる、と言ってくださいます。

では、その身の上話をこれからしましょう。

私は田舎で生まれ育ちました。香港の「元朗(ユンロン)」というところです。父は私が5歳のときに亡くなりました。母は私と5人のきょうだいを育てながら、麻雀牌を売って生計を立てていました。

イギリスで秘書の勉強をしたけれど…

私たちが裕福な家で育ったわけではないのは明らかですが、母と姉が貯金をはたいて、私をイギリスで秘書になるためのコースに通わせてくれました。私が将来楽に暮らせるように、との願いからでした。

母が料理好きだったこともあって、12歳から料理を始めました。料理が常に私の情熱だったことを家族はもちろん知っていましたが、それを仕事にするとは思ってもみなかったようです。当時、料理人は立派な仕事と見なされていなかったのです。私自身も思ってもみませんでした。私は女性で、料理は男性優位の世界なのですからなおさらです。

だから、私は秘書の勉強を終えると、家族が思い描いていた通りに事務員になりました。

しかし、私には問題がありました。事務作業に集中できなかったのです。

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