「初の黒人女性学長」辞任巡るハーバード大の闇 秘密審議でお茶を濁す大学の大きな問題

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暴力の「全責任」がイスラエルにあるとする公開書簡を学生団体が書いた当初、ゲイ氏をはじめとする大学当局は沈黙を保っていたが、その後、大学関係者に宛てて「恐怖、悲しみ、怒りなどの感情」を認める書簡を出した。

その表現が生ぬるいと一部で強い反発が上がったことから、ゲイ氏は言葉を強めた声明を出し、ハマスの「テロ残虐行為」を非難する一方で、「煽動するのではなく、啓発する」言葉を使うよう人々に呼びかけた。

辞任に火を付けた共和党議員の「劇場型質問」

議会公聴会で、エリーズ・ステファニク下院議員(共和党、ニューヨーク州)は、ゲイ氏をはじめとする大学の学長たちに仮定の質問をぶつけた。

「ハーバードでは、ユダヤ人の大量虐殺を求めることは、いじめや嫌がらせに関する大学の規則に違反するのか。イエスかノーで答えなさい」

「状況によっては違反となる可能性がある」とゲイ氏は答えた。

このやり取り、そしてステファニク氏とマギル氏の間の同様のやり取りはソーシャルメディアを駆け巡り、大学と密接な関係を持つ多くの人々を激怒させた。

ゲイ氏は、大学新聞「ハーバード・クリムゾン」に掲載されたインタビューで謝罪し、影響を封じ込めようとした。「言葉によって苦悩や痛みが増幅されるとき、後悔以外の感情を抱く人がいるでしょうか」。ゲイ氏はインタビューでそう述べている。

(執筆:Jennifer Schuessler記者、Anemona Hartocollis記者、Michael Levenson記者、Alan Blinder記者)

(C)2024 The New York Times 

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