次に、新築分譲戸建てはまったく別の展開を予想している。コロナ禍にステイホームを強いられていたための家探し特需で価格は2割ほど上昇した。これは売れ行きのよさに気づいた街の不動産屋などを含めた本業でない事業者の参入による用地価格の高騰によって起こっている。これに加えて、ウッドショックなどの資材価格の高騰で建築費も高騰した。
しかし、全国旅行支援解禁後は、この需要が激減し、売れ行きは急降下している。特需の終了で本業でない会社は一斉に撤退し、土地仕入れ競争は落ち着きを取り戻しつつあり、市場での販売在庫が急増し、土地価格は下がり始めている。
1年の間に土地の仕入れから販売まで行う新築分譲戸建て事業の状況変化は早い。2024年は価格が下がる方向に動くだけでなく、需要が少ないことから、来場者に対する相対での値引きもあるので、購入環境は昨年よりよくなる。
注文戸建ては昨年よりも安くなる
注文戸建ては建物価格が変わらないものの、土地価格が下がり始めているので、総額ベースでは昨年よりも安くなる。コロナ後に住宅展示場のテレビCMを多く見るようになったが、これは集客ができていない証拠となる。
一般の人はみんなが買いに行くときに買いたがるが、そんなときは価格も高く、値引き幅も少ない。ここで大事なのは「買い手が少ないときは買いどき」だということで、今年は「買いどき」に相当する。
最後に、賃貸住宅を見ていこう。都市部のコロナ感染者が絶対数で多かったこともあって、都市部への人の流入はコロナ期間中に大幅に減った。特にアルバイト・パートタイマー・契約社員などの非正規雇用の人は営業自粛のあおりを受けて職を失い、単身者の賃貸需要が激減した。稼働率が下がると家賃は下がる。シングルタイプは家賃が下がった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら