「そこでまた調子に乗っちゃったんですよね。『この子がお金出してくれるからいいか』みたいに思っちゃって。彼女のお金でオカルトの取材を始めるんです。中には韓国のチェジュ島など、かなり遠出をしたこともありました。2人で行って、飯代もホテル代も全部出してもらいました。結構、ヒモっぽい生活していましたね。
他にも、お義父さんやおばあちゃんにもらったお金も、全部取材につぎこんじゃいました。お義父さんは『借金を返すために』って貸してくれたので、1カ月で使ってしまったと告白したらすごい顔をして『そりゃ、使っちゃうよなあ……』って言われました。
端的に言えばクズだと思います。
当時、そんな不義理をしたのに未だに応援してくれていて本当にありがたいです」
その時代の取材の様子が、初の著書である『闇に染まりし、闇を祓う』では存分に描かれている。現地に赴いての、現場主義的な取材方法は評価も高い。書籍も発売してすぐに話題になった。
……が、それは現在の話だ。当時はただただ彼女の貯金をすり減らしていく日々だった。
岸本さんと“都市ボーイズ”を結成
この頃、同級生3人でトリオを組み、
「配信とかしてみないか?」
と話を持ちかけた。当時は3人ともまだTVの裏方の仕事をしている時代。打ち合わせなどで耳に入った“不思議な話”などをアウトプットできないだろうか?と模索していた。
結果的に1人が抜けることになり、はやせさんと岸本さんで“都市ボーイズ”を結成した。

「僕と岸本さんでポッドキャストの配信をしようということになりました。名前の“都市ボーイズ”は、2人共芸人“シティーボーイズ”が好きだったのと、“都市伝説”が好きだったから、です」
「陰謀論」「奇祭」「業界の裏話」「気持ち悪い話」など毎週配信していくうちに人気は上がっていった。
「憧れだった伊集院光さんの番組と並んで表示されるようになってとても嬉しかったりしたんですが……。ただ、ポッドキャストって収益化はできないんですよ」
忙しさは増えたものの、収入は増えなかった。結局、相変わらず彼女に養ってもらっている状態だった。
「ある月末の夜、物音で目が醒めたんです。見ると、真っ暗い部屋で彼女が通帳見ながら泣いてたんです。『どうしたの?』って聞いたら『お金がなくて、今後食べていけるかわからない』って言うんです。僕はアホやから『黙って寝ろや』とか言っちゃったんだけど、僕も布団の中で泣いてました。『もうどこにも行けないんだ。もう働くしかないんだ』って思って……」
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