格安中古100万円ポルシェ購入2年、維持費の真実 カイエンの車検代やガソリン代などを大公開

拡大
縮小

実際に筆者のカイエンも、レヴォルフェ S.A.の提案で、エンジンオイルといった油脂類をはじめ、一部交換部品は、ポルシェ純正ではなく、手頃かつ高品質なOEM品やアフターメーカー品を使用している。また、カイエンのウィークポイントであるカンダルシャフト(プロペラシャフト)も、ポルシェセンター等でまるごと交換すると25万円ほどかかるが、OEM品のベアリングを使用することで、工賃込み6万8000円ほどで済ませてもらえた。

カイエンで多いドカンダルシャフト(プロペラシャフト)のトラブル。ベアリング部分が劣化すると振動や異音が発生する。こちらは約10万km走行した筆者の車両から取り外したものだが、ゴム部分に亀裂が入っていることがわかる
カイエンで多いカンダルシャフト(プロペラシャフト)のトラブル。ベアリング部分が劣化すると振動や異音が発生する。こちらは約10万km走行した筆者の車両から取り外したものだが、ゴム部分に亀裂が入っていることがわかる。通常は、カンダルシャフト一式の交換になるが、OEM品を駆使すれば、ベアリング部分のみの補修で済む(筆者撮影)

上記はあくまで一例だが、中古車を買う場合は愛車の主治医選びも維持費に大きく関わってくる。ちなみにレヴォルフェ S.A.は、ポルシェ以外にベンツやBMWなどの輸入車、また国産車の知識も豊富で、旧車なども多数扱ってきた経験があり、「チューニングカーはもちろんですが、ノーマル車両のメンテナンスや車検だけでも、困ったことがあればお気軽にご相談ください」ということだった。手頃なOEM品を使った結果、すぐに壊れてしまったという事例も多いが、「この部分はOEM品を使って費用を抑えましょう」「この部分は純正品が安全です」のような提案も信頼できるショップならしてもらえる。

燃費は劣悪、街乗りなら5km/L程度

カイエンSのメーターまわり
カイエンSのメーターまわり(筆者撮影)

ここまでは、主にガソリン代を省いた維持費について紹介してきたが、昨今の燃料費高騰でガソリン代も気になるところだろう。カイエンのカタログ燃費は、年式やグレードによっても異なるが、初代で5.5~8km/L(10.15モード)、2代目は7.4~11km/L(JC08モード)、3代目は8.4~11.2km/L(JC08モード)が目安となる。

自分が乗っている4.8Lエンジン搭載のカイエンSの場合、一般道で5km/L程度、高速道路で10km/L程度で、今どきのクルマに比べれば燃費は劣悪だ。それもハイオク仕様の100Lタンクなので、燃料費の高い今なら1回の給油で1万5000円近くが消えていく。ただ、大排気量ゆえに高速道路では2000回転程度で巡航できるので意外と燃費も伸び、巨大なガソリンタンクのおかげで、のんびり走っていればガソリン満タンで東京-名古屋(約700km)くらいは往復できる。

例えば、一般道も高速道路も走るとして、平均燃費7km/Lと仮定し、年間走行距離5000kmとする。現在のハイオクの全国平均価格182.5円で計算すると、年間のガソリン代は13万357円。ガソリン代は、大排気量車だからしょうがないと割り切り、それよりも余裕のあるトルクを楽しんでほしいクルマだ。

次ページ格安中古の輸入車は買って良いのか、失敗しない方法とは?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT