「意識高い系」新入社員が3カ月で辞めるワケ 「5月病」より「6月病」のほうがもっと深刻?

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最後に、意外と増えてきている「自信満々プライド」タイプの新人だ。上司にも議論を挑んでくるタイプである。一部の人は「意識高い系」というくくりでもいいかもしれない。

この種のタイプは基本的には地頭はいいのだが、ともすると、上から目線だと思われがち。実際に最初から少しエラそうに振る舞い、「うちの部の○○先輩はちょっと視野が狭い」「この環境では学ぶことは少ない」など、どこかで自分勝手な評価をしていることも往々にしてある。

「意識高い系」には真正面から対峙せよ

こうした場合、上司が失敗するパターンは、議論に対峙しないこと。新人本人は、自分にプライドがあるし、主張にも自信がある。だからこそ、質問には正面から向き合い、議論をしてあげないと、一気に新人の無駄なフラストレーションがたまる。

逆に言えば、成功するためのポイントは、本人が意識高い系で実際以上にできると思っている「自信過剰型」なので、うまく「失敗の経験」をさせながら、自分の実力を思い知ってもらうことだ。

本人と同じ土俵に降りて、圧倒的な差を見せつける上司もいる。さらにツワモノになると、あえて仕事を任せて、顧客からクレームが入るまでやらせて、失敗を明確に気づかせるケースもある。

「社会人になるとね、謙虚さや素直さが大事なんだよ」。先輩社員がこのことを新人にやさしく言うだけでは伝わらない。このタイプの新人なら、本人に自発的に気づかせるプロセスを踏むことが非常に大切になる。

いろいろ書いてきたが、会社側や先輩社員にお伝えしたいのは、何もすべて新人に迎合しろということではないということだ。どちらかと言うと、むしろ新人という相手に応じた、「対応のパターン」の引き出しを増やしていただきたい、ということだ。

当然のことながら、先輩社員も、自分のスキルをしっかり持っておくことが大切だ。肩書きだけで戦える時代は終わりつつある。「なんで何もできないあんたなんかに」となったらおしまいである。

最後に、新人の社員へもひとこと。先輩方は、あなたが思っている以上に、あなたのことを考えている。3カ月でやめるのは、あまりにも早い。

徳谷 智史 エッグフォワード 代表取締役

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とくや さとし / Satoshi Tokuya

京都大学経済学部卒業。企業変革請負人。組織・人財開発のプロフェッショナル。大手戦略系コンサル入社後、アジアオフィス代表を経て、「世界唯一の人財開発企業」を目指し、エッグフォワードを設立。総合商社、メガバンク、戦略コンサル、リクルートグループなど、業界トップ企業数百社に人財・組織開発やマネジメント強化のコンサルティング・研修など幅広く手がける。近年は、先進各社の働き方改革、AI等を活用したHR-Tech分野の取り組みや、高校・大学などの教育機関支援にも携わる。趣味はハンドボール、世界放浪等。ご相談・取材・執筆・講演依頼はこちら

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