2024年の日本株は「方向感が出にくい年」になる 「甲辰(きのえたつ)」の年で考える日経平均

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さて、「甲」(きのえ=西暦では末尾が4の年)は、鎧(よろい)・兜(かぶと)の意味で、甲冑の甲から生じた言葉(象形文字)だ(甲の字形は、内を固めて守り、これからの戦いに備える形だ)。

寒さのために草木の種子が地中にあって、殻(から=よろい)を被って発芽することができずにいた芽が、その殻を破って頭を少し出して、まさに伸び始めようとする状態だ。

十干と十二支の組み合わせは、60種類(周期)だ。10(十干)と12(十二支)の最小公倍数が60だからだ。60年経つと、生まれた年と同じ干支(えと)になり、暦が戻る。60歳で還暦のお祝いをするのは現代にもしっかり受け継がれている。

2024年の株式市場は方向感の出にくい展開になる?

2024年はこの甲に辰が組み合わされることになる。この2つの文字が意味することは、『大地に根を張って伸びる草木』だ。木は一般的に生命力と穀物が豊かに実るシンボルだが、トゲのある草木や被れる草木もあるように、すべてが良い草木でなないことには注意したい。また、伸びる草木によって、世の中に刺激を与え、価値観を変え、成長させる可能性もあるが、実は、大地に根を張る草木が土の養分を奪い取って土地がやせてしまうこともあるのだ。

「甲辰」の意味するところは、ちょうど春になって、草木の芽がその殻を破って頭を少し出して伸び始めようとするが、まだ寒さが厳しくて、勢いよくその芽を伸ばすことができないのと同じように、「旧体制の殻を破って、(自然界と同じように)革新の動きが始まらなければならないのだが、いろいろな抵抗や妨害があるため、その困難と闘う努力をしながら、慎重に伸びていく(歩みを進めていく)」という意味になる。

以上のことから、2024年は、革新の動きが始まったばかりで方向感の出にくい1年になるとみている。

2024年の株式市場は、市場参加者の楽観や悲観が行きすぎる一方的な相場展開になることも充分に想定されるが、基本は上下の値幅が限定される比較的ボラティリティ(変動率)の低い展開になることを想定している。

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