「アッと驚く写真」には脳を活性化する効果がある 脳科学者が教える「脳が衰えない人」のプチ習慣

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2020年にストックホルム大学のKristoffer N. T. Manssonらが、意識的に写真を見るだけで視覚野の灰白質や皮質の質量が増えることを報告しましたが、脳は刺激を受けると変化する「脳の可塑性」という性質があります。

またスペインの研究でも、脳はなんと90歳まで新しい神経細胞がつくられていることがわかっていて、40歳になっても、60歳になっても、90歳になっても、もちろん若い人でも、脳は鍛えられることが知られています。

2025年には高齢者の患者数が700万人、5人に1人に達すると推計されている認知症ですが、軽度認知障害(MCI)という認知症の入り口の段階で脳を鍛えれば、15〜40%程度は正常の認知機能に回復できるという報告もあります。

写真を見るだけで脳細胞が活性化して、脳を元気にすることができる、こんな一見すると信じられないことが実現できたら素晴らしいことです。そこで、これを現実化するために、下記の特徴を持つ写真が注目されています。

とくに脳に効くタイプの写真

「写真を見ること」は脳にもっとも手軽に脳に大きな刺激を与える方法です。

なぜなら、五感のなかでも、視覚の情報量は最大で、大脳新皮質のうち約50%が視覚の処理に使われているからです。

ここでは、私が脳科学者としての知見をいかしてわかってきた、最も効果的に脳を活性化させる8タイプの写真の特徴をお伝えします。

8タイプの写真は、7つの脳力を活性化させる効果がありますので、どんな効果が得られるかもご紹介します。

◎予想外の写真

「おっ」と驚くような写真や、見たこともないような写真を見ると、集中力を高めるドーパミンが分泌されます。ドーパミンは幸せホルモンとも呼ばれ、幸福度を高める作用があり、それにともない意欲も高まります。

(写真:Alamy/アフロ)
とくに鍛えられる脳力:集中力、判断力、意欲
次ページほかには、こんな写真が効果的
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