石川・のと鉄道七尾線、廃線区間の足は「空港バス」 穴水―輪島間、特急バスと空港連絡バスが主軸

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輪島駅前7時10分発は市の坂経由の穴水総合病院行きで、穴水駅前には7時44分着。7時57分発ののと鉄道に接続しており、七尾には8時38分に到着する。石川県立穴水高校(穴水駅から徒歩約20分)への通学に便利かと思ったのだが、若者の利用はあっても、制服を着た高校生の乗車は見られなかった。

穴水総合病院行きバス
輪島駅前に入る穴水総合病院行き(筆者撮影)

少し古い資料だが、2010年に珠洲市が作成した「奥能登地域公共交通活性化の取組み」では、能登半島北部の各高校への進学者が、どこの中学校の出身かをまとめてあった。

高校生の広域的な通学は少ない

それによると、穴水高校への進学は穴水町内からが大半で、輪島市内からはわずか数人となっていた。反対に県立輪島高校へは、穴水町内から一定数の進学者が見られた。少子化が深刻になっている今では、もっとはっきりした傾向が出るだろう。

それゆえか、今も北鉄奥能登バス穴水輪島線には、8時少し前に続けて2本、輪島高校前に到着する便が設定されている。それぞれのと里山空港経由と市の坂経由で、途中のバス停からの需要を拾うと推測される。

穴水駅前には、7時45分から50分にかけて能登町方面からのバスが3本、立て続けに到着した。途中、穴水高校口を経由するから、そちらからは通学する生徒がいるのだろう。穴水駅前では中学生が何人も降りる。駅近くには穴水中学校があるが、町内の中学校はここだけ。統廃合が進んだ結果、バス通学が生じているのであった。

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土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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