ひろゆき「経営者は現場で体を張ったほうがいい」 夫婦で1500億円稼いだ女性の自伝に学ぶこと

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ジェイミーさんは、コンシーラーを肌につけた後に、それがシワになってヒビが入らないことを生放送の通販番組で披露します。

そこまでしても大丈夫なレベルになるまで、めちゃくちゃこだわって、よりよい配合を求めて、たくさん試し続けたんだと思います。その結果、ベストなものを作れたから、自信が持てたのでしょう。

自信があるからこそ、自分をさらけ出せる

自分の商品よりも他にいいものがない。この商品は絶対にいい。知ってもらえれば必ずうまくいく、という自信です。

例えばパン屋さんが、何となくパンを焼くだけなら、誰でもそれなりにはできるでしょう。でも、それをどのレベルまで高めていくか。

うちのパン屋のパンは、自分の住む町や県で「いちばんうまい」と言えるまでこだわっているか。そもそも、そこまでこだわる覚悟はあるのか。

自分の作ったものは絶対超えられないというものを、ちゃんと作れたなら、信じて突き進んでも、うまくいく可能性があることを『ビリーブイット』は教えてくれます。

『ビリーブイット』を読んでいると、自分の商品に自信があるからこそ、自分をさらけ出して、自分を捨てられるところもあるのだとも思います。

ジェイミーさんは、顔が赤くなってしまう「酒さ」という病気を持っていて、もともとはそれを隠す化粧品をつくるために化粧品会社を始めた。それなのに、テレビの生放送にすっぴんで出て、その効果を顧客に示そうと思えるほどに、自分の作った商品に自信がある。

「私は、いいもの作ったから、あとは皆さんががんばってね」ということではなく、作ったものを自ら体を張ってアピールするだけの覚悟があったということです。

化粧品は、使ってからお金を払うというものでなく、お金を払って入手してから使うものです。つまり、これなら試してみたいと顧客に思わせる何かが、先に来なければいけない。

すっぴんをさらして製品をアピールしているジェイミーさんをテレビで見た人は、これだけ体を張っているんだから、この商品はきっといいものなんだと思うでしょう。

テレビショッピングのQVCに出ている人は、創業者が多いんですね。

日本の場合、テレビショッピングに創業者が出ているケースはあまりありません。佐世保に本社があるジャパネットたかたがうまくいったひとつの理由は、創業社長の高田明さんが自ら番組に出ていたからではないでしょうか。

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