仕事と私生活、両面あっての人生
伊藤あかり(以下、伊藤):『ビリーブイット』は、一般的なビジネス書とは違いがあるように感じました。一般的なビジネス書は、「こうして私は成功し、億万長者になった」というものが多い印象です。そういう意味で私はこの本をビジネス書とは思わず読みました(笑)。
ジェイミーは、起業家として何百時間もがんばって仕事をし、イットコスメを成長させている一方で、プライベートな家庭のこともたくさん書いています。仕事がとても忙しいさなかに、産みのお母さんを探しているんですね。
女性は、仕事を頑張る「A面」と、出産や子育てをする「B面」とを行き来しながら生きていますが、一般的なビジネス書はたいてい「A面」だけにフォーカスが当たっているように思います。
実際には、長時間働いている“だけ”の人はいません。仕事もあり、プライベートもあって、どちらも成功させたくて、でもできずに悩んでいるという本書のほうがリアルに感じます。
ヒオカ:そうですね。「化粧品会社を成功させた」というだけの話だと、自分からは遠いすごい人の話に感じますが、本書には、普遍性のある問題が書かれているのかなと思います。
企画を上司に通したいけど、「そんなもの売れないでしょう」と言われてしまったという経験は、みなさんにもあると思います。
でもそういう時に、トライアンドエラーを繰り返しながら、どういう気持ちでいれば突き破れるのかというところがリアルに描かれていますね。誰にでも思い当たるところがある本だなと思いました。