●会社説明会参加者が大きく減り、面接数も比例して減少
会社説明会への参加学生数を見てみると、11年卒採用では対前年比で参加者が増えた企業が6割もあった。前年並みが3割で、減った企業は1割だった。12年卒採用は様変わりし、参加者が増えた企業は3割強と半減、減少してしまった企業は昨年の10%から25%になった。
もちろん、3月11日以降の会社説明会がほとんど中止になった影響もある。ただし、注意しなければならないのは、震災前から学生集客数の悪化が指摘されていたことだ。
説明会への参加者減は、面接に影響を与えている。説明会動員が増える局面では、面接受け入れ数には上限があるため、必ずしも説明会参加者数に比例して増えることはない。しかし、説明会動員が減る局面では、面接者数は減る。
スクリーニング通過者の比率が変わらなければ、選考母集団(=説明会参加者)の減少は選考対象者(=面接者)の減少につながるからだ。
●約7割の企業が4月までに選考開始。採用スケジュールは大幅に遅延
12年採用での選考は3月、4月に開始した企業が最も多く、19.8%と19.3%で計39.1%、2月以前開始を含めると7割近くに達する。逆に、未定を含め5月以降に開始する企業も3割以上ある。
もっとも大震災の影響は大きく、選考を3月までに開始していても、選考活動の中断を余儀なくされ、実質的な選考開始が4月にずれ込んだ企業も多いことだろう。
採用スケジュールの遅れは内定出しの状況を見ると、明確に表れている。7割近くの企業が4月までに選考を開始しているが、内定を出している企業は5割強にとどまる。半数の企業は内定を出していない。
内定を出している企業も、採用計画数に対する進捗は芳しくない。91~110%が計画に対する妥当な内定数と考えられるが、10%未満の企業が6割近い。もっとも、採用計画数の1.5~2倍の内定をすでに出している企業も存在する。こんなに多くの内定を出した理由は、12年卒採用が長期化し、内定辞退が増加すると予想されるからだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら