住民の「困った」が議員を動かす、政策DXの革新性 スマホで気軽に議員と交流、無党派層取り込む

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利用者は賛成か反対を投票し、メッセージや体験談を投稿する。これらのデータは、入力した人が住む選挙区の登録議員へ届く。議員側は個別に返信してニーズを探りながら、自治体へ働き掛けたり、議会で取り上げたりして政策の実現を目指す。

一般市民のサービス利用は無料。議員は無料と有料のプランがあり、無料の場合は送信できるメッセージ数に上限がある。月額5980円のプランではメッセージ数に制約がなくなるほか、独自の政策をトピックとして掲載できる月額7980円のプランがある。これが収益の柱となっている。

政治活動のDX化は遅れている。議員が有権者と関わろうとして、一般的に取り組むのは街頭での辻立ちや、チラシとポスターの作成。あとは地域行事でのあいさつや支持者との懇親会だ。働き盛りの世代は忙しく、こうしたアナログな手法で接点を持つのは難しい。結果として、投票率の低下や政治への不信につながることが懸念されている。

届いた声を議会へぶつける

「学校がある期間は給食があります。ただ、夏休みや冬休みといった期間においては、両親が(子供の)お弁当を用意しなければなりません。家庭によっては朝4時に起きて作っているという話も聞きますし、大きな負担となっています」

今年6月に開かれた兵庫県西宮市議会の定例会。自民党の坂本龍佑市議はこう訴え、長期休み中の学童保育で、希望者が宅配弁当を購入できる仕組みを整えるよう求めた。

西宮市こども支援局は「利用児童やその保護者、指定管理者のご意見をお聞きしながら、全育成センター(学童保育)で導入できるよう検討を進める」と答弁。前向きな姿勢を引き出すことに成功した。

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