ハリウッドスターがベテランばかりになった理由 日本人の誰もが知る若手スター不在の寂しい現状

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1996年には、ジム・キャリーが『ケーブルガイ』で2000万ドルを獲得し、新記録を達成。当然、他の大物スターも同じ額を要求するようになり、「2000万ドルクラブ」と呼ばれるハリウッドスターのエリートグループが誕生した(ギャラの男女差の象徴とも言えるが、女優はロバーツやキャメロン・ディアスなどでも2000万ドルクラブには入ることができていない)。

しかし、スーパーヒーロー映画が市場を牽引する時代になると、誰が出ているかより、コンセプトが重要になってきた。マーベルの映画のキャストは、マーベルの映画に出たから有名になるのであり、その人が出たから映画がヒットするわけではない。

マーベル・スタジオの第1弾『アイアンマン』に主演したロバート・ダウニー・Jr.は、それまでにも長いキャリアを築いてはきていたが、ブロックバスター映画に出たことはなかった。

ほぼ無名の新人を抜擢することも

実際、『アイアンマン』1作目の出演料は、わずか50万ドルである。続編ができるたびにギャラはアップし、『アベンジャーズ/エンドゲーム』では2000万ドルを手にしたが、実績に従っての昇給だ。「2000万ドルクラブ」のように、「この人が出るなら有無を言わさずギャラはこの金額」というのとは違う。

クリス・ヘムズワースも『マイティ・ソー』の主役に抜擢された時は無名の新人だったし、『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンスにしても、2009年に公開され、史上最高のヒット作となった『アバター』のサム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ(もっとも、彼女の場合は全編パフォーマンス・キャプチャーでそもそも顔が出ないのだが)にしても、当時、それほど有名ではなかった。

過去10年、北米でその年の首位になった作品を見ると、マーベル作品、『スター・ウォーズ』、『ジュラシック・ワールド』シリーズなどは、どれもブランド、コンセプト推しだ(唯一の例外は、クルーズが主演した昨年の『トップガン マーヴェリック』)。

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