「暗黙の了解」など、いまや遠い昔のこと
日本一に輝いたプロ野球・阪神の岡田監督による「アレ」の連発は、今シーズン中、大変な注目を浴びました。
「アレ」とは、すなわち「優勝」のことだと言外に込めて、そのワードを一度も発することなく、選手たちを「アレ」に導きました。
かつて、弱かったチームの監督当時、首位に手が届きそうになった際、選手全員が「優勝」を意識しすぎて硬くなってしまった苦い経験から、「アレ作戦」を用いたのだと言われています。
国語の勉強ふうに言えば、「あれ」は「物事を指し示す機能を持つ指示語」と分類されますが、何をピンポイントで示しているかは、人によって思い違いなどもあり、必ずしも全員の答えが合っているとは限りません。
それが、このたびの岡田監督の「アレ」はどうか。
阪神関係者のみならず、日本中が意味を理解。指示語の100%共有は、もう前代未聞(⁉)の例でした。
と言うのも――、
今は、指示語のフォローが必要な時代だからです。
つまり、「あれ」だけでは、それぞれの人々の頭の中に浮かぶ事柄を一致させることが難しくなっているのです。



















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