製紙再編は瓦解、大王と北越紀州の壮絶バトル 三菱争奪戦に続き、株主総会で激突も

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北越紀州は旧北越製紙時代の2006年に、旧王子製紙(現王子HD)から敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられた。以来、とりわけ大手2強に対抗する第三極結集にこだわってきた。09年には特殊紙大手だった旧紀州製紙と経営統合して北越紀州製紙が発足。12年には、創業家との内紛を抱えていた大王に助け舟を出す格好で、北越紀州が大王創業家の持ち株(保有比率2割強)を買い取り、同社を持分法適用会社化している。

2年前の株主総会での激突を再現も

ただ、売上規模が半分に過ぎない北越紀州が「小が大を飲む」形で保有比率2割強もの大株主として“君臨”することに対し、大王側の反発は決して小さくはない。13年2月には大王の関連会社である川崎紙運輸が北越紀州株を保有比率にして2%相当まで買い集めていたことが発覚。北越紀州側からの抗議を受けた大王では、外部委員会を設置して北越紀州株買い集め問題を調査したが、「問題なし」と結論づけた。

大王側の外部委員会の結論に納得できなかった北越紀州は、同年6月27日に四国中央市(愛媛県)で開かれた大王の株主総会で、佐光社長の再任議案に「反対」票を投じて注目を集めた。2日前の6月25日に長岡市(新潟県)で開かれた北越紀州の株主総会には、当の川崎紙運輸の社長が出席して北越紀州側を追及するなど、株主総会に両社の対立が持ち込まれる格好となった。

その後しばらく小康状態が続いていた大王と北越紀州の対立関係に、今回、三菱の争奪戦をめぐって再び火が着いてしまったようだ。北越紀州の岸本セキ夫社長(セキは「折」の下に「日」の字)は、三菱との販社統合破談について「大王製紙が関与した」としたうえで、6月26日に開かれる大王の株主総会で、佐光社長の再任への「反対」を検討していると表明している。まさに2年前の株主総会の再現となる。

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