東上線・宇都宮LRT「ホンダと公共交通」意外な関係 自動車製造・研究拠点へ利用は進んでいるのか

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寄居工場は2013年に稼働を開始した。にもかかわらず新駅の開業が2020年で、2023年春になってダイヤ改正が行われたのは、同じ埼玉県内にあった狭山工場の代替という位置づけであることが大きい。

東武東上線の電車
東武東上線の小川町―寄居間は単線区間。画面右奥にホンダの工場(筆者撮影)

自動車工場は、稼働を始めていきなりフル生産になることは少ない。慣らし運転のように、少しずつ車種や台数を増やしていくのが一般的だ。寄居工場の場合も、当初生産していたのは「フィット」と「フリード」のみだったが、その後狭山工場からの移管が進み、担当車種が増えていった。

生産台数の増加を反映か

その過程で、同じ生産ラインで担当する車種が増えていく。となると、昼間だけでなく夜間もラインを動かすことになり、日勤(昼間勤務)に加えて夜勤の人を雇う必要が生じる。寄居工場の求人情報を調べると、当初は日勤のみだったのが、生産車種の増加にともなって夜勤の募集もするようになっていた。

フルにラインが動く場合は、夜勤と日勤の間にもシフトが入る3交替制になる。この場合、シフト交代のタイミングは、6時30分、15時30分、23時30分頃になる。2023年春に繰り上げとなった初電、繰り下げとなった終電の時刻に近いことがおわかりだろう。

ここからもダイヤ改正の理由の1つが、寄居工場にあると想像できるのである。

ホンダ広報部に聞くと、数は明かされなかったが寄居工場の生産台数は増えているそうで、2023年11月現在で900人を超える従業員が鉄道を利用している。おかげで駅設置の最大の理由だった、工場周辺での大きな渋滞は発生していないという。

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