サイゼリヤで長年にわたって親しまれる人気メニュー「ミラノ風ドリア」。安いのはもちろんですが、支持され続ける理由はそれだけではないはずです。2022年まで13年間にわたり、サイゼリヤの社長を務めた堀埜一成さんは、前職である味の素での経験を生かし、2000年に生産管理技術者として入社。サイゼリヤの"味"を支える数々の工場を立ち上げてきました。本記事では堀埜さんの著書『サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術』から一部を抜粋・再編集し、堀埜さんの眼から見た「ミラノ風ドリア」、こだわりの秘密に迫ります。
(注)同書は、堀埜さんがサイゼリヤに入社した2000年から社長を退任する2022年までの経験をベースに執筆したものです。
カットレタスの工場立ち上げから
私がサイゼリヤから誘われたのは「工場の専門家である生産管理技術者がいないからやってほしい」という触れ込みからでした。
ところが、私が引き継ぐ前に、エンジニア会社に丸投げに近い形で製造ラインはできていました。私としては、工場をつくる段階から関わりたかったのですが、できあがったものを「なんとかしてくれ」と渡されたわけです。
まずはカットレタスの立ち上げからおこないました。
これまでも埼玉工場でおこなっていた工程なので、さほど問題はないだろうと高をくくっていたのですが、いざ現場を見てみるとびっくりしました。
最初に驚いたのは、工場があまりに広いことです。
工場は、広々としているといろんな問題が発生します。工場の空気にはお金がかかっています。外部からのほこりなどを入れないようにろ過しています。さらに、つくるものによっては温度をコントロールする必要が生じます。空調もかなりのお金がかかるのです。
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