円は対ドルで145円台に下落、米国の金利上昇で 雇用統計が堅調で米国の早期利下げ観測が後退

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11日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=145円ちょうど付近と、前週末の夕方から下落して推移。8日発表の雇用統計で米国の労働市場の底堅さが示され、早期利下げ観測の後退で米金利が上昇し、ドルが買われた流れを引き継いでいる。ただ、日本銀行の早期政策修正観測がくすぶることは円買い圧力となりやすく、ドル買い戻しの流れを抑える可能性もある。

りそなホールディングス市場企画部の石田武為替ストラテジストは、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3回連続で利上げが見送られることや同時に公表されるドットチャートで来年末の政策金利見通しが引き下げられる可能性があり、ドルの上値は重いと予想。一方、日銀の早期政策修正観測が強い状況が続けば、「週内はドル安・円高に動く可能性がある」とも述べた。

8日の米国債相場は年限の短い国債中心に金利が上昇し、イールドカーブ(利回り曲線)はフラット(平たん)化した。11月の米雇用統計が市場予想を上回る結果となったことを受け、金利スワップ市場では来年3月までの利下げの織り込みが5割を下回る水準まで低下した。7日時点では7割程度だった。

浮上しつつある相場の焦点

国内では政治リスクが相場の焦点として浮上しつつある。週末には自民党・安倍派の政治資金パーティーを巡る問題で、岸田文雄首相は安倍派幹部を政権要職から交代させるとの報道が相次いだ。

政治リスクが円相場に及ぼす影響について石田氏は、政権の不安定化が株価の下落要因になることでリスク回避、さらに安倍派の力が落ちることは円安政策の後退に受け止められるため、「盛り上がり方にもよるが、潜在的には円高材料」との認識を示している。

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著者:酒井大輔

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