軍事力での中国抑制に警鐘を鳴らした米研究者 バイデン政権の足元で対中政策の変更を迫る

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アメリカの場合、バイデン政権の元・現職の当局者や議会が、「アメリカは台湾を主権国家として正式に承認するか、台湾を防衛する明確な同盟関係を復活させるべき」などとする「分別のない声明」を出すことによって、「安心保証を損ない抑止力を弱めている」と批判した。

「分別のない声明」の具体例には触れていないが、超党派のアメリカ上院議員が2022年秋、台湾を同盟国扱いして攻撃用兵器を供与、在米機関の名称を「台湾代表処」に変え外交特権を付与するなどを盛り込んだ「2022年台湾政策法案」の上程がいい例だ。

さらにバイデン氏自身が2021年11月、台湾は「独立している」「独自の決定を下す」と述べたことを取り上げ、歴代政権の長年にわたる「1つの中国政策」に反する発言を問題視した。

バイデン氏は2022年9月にもCBSテレビのインタビュー番組で「われわれは台湾独立を奨励しないが、彼らが決めること」と、台湾独立を事実上容認する「本音」をポロリと漏らした。

提言は、こうした「分別のない声明」が、中国からするとバイデン政権が台湾独立派の主張に「青信号」を与えたと見なす理由になったと分析する。

「四不一無意」を盛り込め

提言はアメリカの対中安心供与の第1として、「1つの中国政策」を守る「包括的声明」を発表すべきと主張する。

具体的内容の中で提言が注目されるのは、台湾への防衛的兵器供与をうたった「台湾関係法」だけでなく、米中間の3つのコミュニケなどに加え、バイデン氏が習近平国家主席に約束した「四不一無意」(4つのノー、1つの意図せず)を挙げた点だ。

「四不一無意」とは聞きなれない用語だと思う。「四不」はアメリカ側が①新冷戦を求めない、②中国の体制変更を求めない、③同盟関係の強化を通じて中国に反対することを求めない、④台湾独立を支持しない、を指し、「一無意」は、アメリカに中国と衝突する意図がない、ことを意味する。

中国側は、2021年のバイデン・習ビデオ会談で、バイデン氏自らが習氏に誓約した内容と主張。22年のバリ首脳会談と23年11月のサンフランシスコ首脳会談でも、バイデン氏に「言行一致」を要求している。

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