教員免許の「国家資格化」は先生たちを救うか 独立開業できる医師・弁護士とは違う?

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「30年ほど前、法学部に在籍しながら、教職課程を取り、教育実習にも行って中学校と高校の社会科の教員免許をもらいました。別の進路に進んだために、教員免許を生かす機会はありませんでしたが……」

そう明かした宮島弁護士は、教員免許の国家資格化をどうみているのか。

「教員免許の国家資格化の詳細はまだよくわからないため、報道をもとにしたコメントになります。まず、メリットとしては、報道にもあるように、国家資格化による教員の地位の向上と、研修による資質向上が考えられます」

公平で客観的な判断は可能なのか?

一方、「いくつかデメリットも考えられます」と宮島弁護士は指摘する。

「免許を与える際に、学生時代や研修時代の活動にかかわる部分が、どのように評価されるのでしょうか。また、客観的で公平な適性判断が可能なのか、志願者の萎縮、ひいては、国の教育への介入強化につながらないかという点も懸念されます。

実際に働き出すまでの期間が長くなりそうなので、研修中の財源が確保されていないと、研修者の収入や生活に影響が出てくるでしょう」

宮島弁護士は「さらに問題なのは、実際に教員として働けるのか、将来の予測が立たないことです」と指摘する。

「教員免許は免許を取得しても、学校に入らなければ使えません。しかし、時間とコストをかけて免許を取っても、各教育委員会が、どのくらいの人数を教員として採用するのかは、その年ごとに変わるものです。同じ国家資格でも、いざとなれば独立開業できる医師や弁護士とは、ここが違うところです」

宮島 繁成(みやじま・しげなり)
日弁連子どもの権利委員会、同いじめ問題対策プロジェクトチーム。その他、スポーツ問題や法教育にも取り組んでいる。
事務所名:ひまわり総合法律事務所
 
 

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