五鉱資源の発表資料によれば、コエマカウ銅山の確認資源量は(鉱石から製錬した)金属の銅換算で約640万トン。現地のプラントは年間5万トンの銅精鉱を生産できる能力を持ち、2028~2029年にはそれを年間13万トン超に拡大する計画だ。
同鉱山の生産能力拡大の投資額について、五鉱資源は7億2000万ドル(約1070億円)と見積もる。さらに、生産能力拡大後のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を年間約6億ドル(約892億円)と予想している。
この数字に基づくと、キュープロス・キャピタルの株式取得費用と生産拡大投資の合計額に対するEBITDAの倍率は約4.3となる。これについて五鉱資源は、鉱山業界のM&A(合併・買収)の平均値を下回っており、コエマカウ銅山の買収価格は割高ではないと説明する。
再エネや脱炭素の潮流に期待
五鉱資源はさらに、今回の取引はリスクが低く、同社の業績に対して直ちに増益効果をもたらすと強調。コエマカウ銅山の買収により、会社の事業規模が拡大するとともに、(相対的に利益率が高い)銅関連事業の比重を高められるなどのメリットを列挙した。
「わが社はコモンメタル(汎用金属)としての銅の将来性に自信を持っている。(再生可能エネルギーの導入拡大や脱炭素の推進など)世界のエネルギー利用の転換が加速するとともに、銅の需要は長期的拡大が続くだろう」
五鉱資源の董事長(会長に相当)を務める徐基成氏は、声明のなかでそう見解を述べた。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は11月21日
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