中国の非鉄金属大手「アフリカの銅山」買収の思惑 五鉱資源、銅の世界需要の長期的拡大に自信

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五鉱資源の発表資料によれば、コエマカウ銅山の確認資源量は(鉱石から製錬した)金属の銅換算で約640万トン。現地のプラントは年間5万トンの銅精鉱を生産できる能力を持ち、2028~2029年にはそれを年間13万トン超に拡大する計画だ。

五鉱資源は海外鉱山の買収を通じて、銅関連事業の比重を高めた。写真は同社が採掘権を保有するペルーのラスバンバス銅山(五鉱資源のウェブサイトより)

同鉱山の生産能力拡大の投資額について、五鉱資源は7億2000万ドル(約1070億円)と見積もる。さらに、生産能力拡大後のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を年間約6億ドル(約892億円)と予想している。

この数字に基づくと、キュープロス・キャピタルの株式取得費用と生産拡大投資の合計額に対するEBITDAの倍率は約4.3となる。これについて五鉱資源は、鉱山業界のM&A(合併・買収)の平均値を下回っており、コエマカウ銅山の買収価格は割高ではないと説明する。

再エネや脱炭素の潮流に期待

五鉱資源はさらに、今回の取引はリスクが低く、同社の業績に対して直ちに増益効果をもたらすと強調。コエマカウ銅山の買収により、会社の事業規模が拡大するとともに、(相対的に利益率が高い)銅関連事業の比重を高められるなどのメリットを列挙した。

本記事は「財新」の提供記事です

「わが社はコモンメタル(汎用金属)としての銅の将来性に自信を持っている。(再生可能エネルギーの導入拡大や脱炭素の推進など)世界のエネルギー利用の転換が加速するとともに、銅の需要は長期的拡大が続くだろう」

五鉱資源の董事長(会長に相当)を務める徐基成氏は、声明のなかでそう見解を述べた。

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は11月21日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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