パレスホテルに10年住む総支配人の「改装秘話」 黒船襲来で決断「過去のすべてを捨てた」大改装

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――総支配人になった経緯を教えてください。

1987年に入社して、4年間はハウスキーピング(客室の清掃・整備)やベルスタッフなど現場をやっていた。その後、サンフランシスコへの研修などを経て、海外営業に配属された。

もともとは海外営業部立ち上げのタイミングで先輩に「こないか」と誘ってもらったが、その先輩がすぐにやめてしまった。そこから10年くらい海外営業の責任者を務めた。

レンタカーを運転しながら悔し涙を流した

海外営業はとても楽しかったが、悔しい経験をしたこともある。アメリカ出張である有名企業に営業へ行ったときに、パレスホテルについては何も聞かれず、ほかの国内の老舗ホテルについてばかり聞かれた。

帰りはレンタカーを運転しながら悔し涙を流した。海外の顧客にうちのホテルを知ってもらうにはどうしたらいいんだろう、と当時から考えていた。

東京駅や大手町から歩くことができる抜群の立地に構えるパレスホテル東京(撮影:梅谷秀司)

その後、開業準備室に入り、総支配人に就任した。業界を見渡しても、私ほど若い(当時、渡部氏は47歳)総支配人は珍しかったと思う。小林節社長(現会長)は、外国人総支配人を招くという考え方もあったと思う。

しかし、パレスホテルのDNAを持っている私に総支配人をやらせてみようということで、指名していただいた。

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