意外な盲点「日本で今、家が足りない」問題の真相 空き家問題だけではない!問われる住宅政策

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こうなる理由は、持ち家(自宅)より賃貸(不動産投資)のローン金利と税制が雲泥の差で高いからだ。ゆえに、常に家賃の方が割高になる。同じ月の支払い額なら、おおよそ2割の面積差が生まれることになる。

住宅ローンより割高な家賃は需給バランスで決まる。上記の様に、新築マンション供給戸数が9万戸から3万戸に減ると、6万世帯も新築購入世帯が減ることになる。この中には、中古マンションを購入する人もいるだろうし、戸建てを買う人もいるだろう。とはいえ、買えない人は増えていることは確かで、国勢調査の持ち家率は最近5年で大きく低下している。

こうして増えた賃貸需要が供給を上回ることで、賃貸住宅の稼働率は上昇する。持ち家価格が高騰する→ファミリー賃貸層が増える→ファミリー家賃が高騰するというメカニズムとなる。ファミリー世帯にとっては、買うのも「価格が高い」が、借りるのも「家賃が高い」と思うことだろう。

単身世帯も家賃上昇

ファミリーだけでなく、単身世帯も家賃上昇は起こっている。最近世帯人員の減少が急ピッチで進んでおり、世帯数はこれまで以上のペースで増えている。1万人が流入して、世帯人員が2人なら、5000世帯の増加だが、世帯人員が1.8人なら5556世帯となり、556世帯増える。このように、人口はさほど増えなくても世帯人員が大きく減少すれば、世帯数はこれまで以上に増えることになる。

それが深刻な状況になっているのが、東京都区部である。世帯数の伸びはすでにコロナ前の水準まで戻り、来春は史上最高の流入が見込まれる。なぜなら、最も流入の多い23歳の新卒採用世代は大卒求人倍率に比例して増えるが、その大卒求人倍率はコロナ後で急上昇し、コロナ期間中に来られなかった溜まり需要も含めて、来年大量に流入してくるからだ。

それに加えて賃貸のストックは徐々に減っていく。毎年同じ戸数着工しているなら、築30年が建物の寿命ならストックの3.3%が、築50年なら2%がストックからなくなることになる。それだけのストックが必要なら、少なくとも30年前、50年前と同じ戸数の新規供給が必要なのだ。

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