100周年記念作が描く「ディズニー映画の本質」 CCOが語る、新作「ウィッシュ」で伝えたい想い
それをどう光として表現するかを考えたときに、主人公・アーシャの“願い”を物語の主軸にすることに辿り着きました。それは、自分のコミュニティーと、この世界全体に対しての希望や愛につながるとても大きな願い。いまの若い世代には、そういう願いを持っている人たちは実は多いと思います。
本作を通して、あなたが持っている願いは大切なんだ、それは叶えられることもあるけど、楽な道のりではなく、努力が必要。でも、失敗しても大丈夫。アーシャには、スター(劇中のキャラクター)や友人、家族など、厳しい道のりを助けてくれる人たちがたくさんいるわけですから。「あなたは決してひとりではない」ということは本作を通して伝えたかった想いの1つです。
誰かが願いを抱いているときに、本人は気づいていなくても、それには価値がある、大切なんだ、ということも伝えたいメッセージです。
そして最終的には映画を見ている人たちにも、みんなが1つになるようなインスピレーションが湧いてほしいと思っています。
王の選択に対する評価や信頼
――劇中の一部の表現には、現実の一部地域の紛争へのメタファーが埋め込まれているように感じました。
意識的にそれはしていません。どちらかというと、具体的な国や地域に見えないようにすることを意識していました。人類の100年史全体を鑑みながら描きました。
主人公のアーシャが暮らすロサスの王国のマグニフィコ王は、いくつかの選択をしますが、それによってロサスの国には、よくないことが起きていきます。
しかし、そこにはまったく違う選択だってあったわけです。リーダーへの評価や信頼は、困難にぶつかったときの選択で決まります。彼が世界をどう見ているか、何を善悪の判断基準にするのか。
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