マクドナルドと「ライバル外食」を分析する

「独り負け状態」に歯止めはかかるか?

では、そのほかの外食業はどうでしょうか。

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外食チェーン各社の業績

上の表を見ますと、吉野家とロイヤルホールディングス以外の外食業が増収減益となっています。先ほどのファストフード各社と同じく、原材料費や人件費の高騰などがコストを押し上げ、営業利益を悪化させているのです。

なぜ吉野家とロイヤルは営業増益になったのか

特に、すき家を運営するゼンショーは、深夜に従業員がひとりで業務をこなすワンオペレーション(ワンオペ)を廃止したことで人件費が大幅に増え、業績が大きく落ち込みました。消費増税にあわせて牛丼並盛りを値上げしたものの、費用の上昇分を吸収できなかったのです。ただし、それでも営業赤字にはなっていません。

増収増益となっているのが、吉野家ホールディングスとロイヤルホールディングスです。この2社は、品質を上げて価格も上げる戦略に成功し、コスト増をうまくカバーしました。

以上のことから、競合他社はコスト増に苦しんでいるものの、売上規模自体は縮小しているわけではありません。その点を考えますと、売上高も営業利益も大幅に落としているマクドナルドは、外食業の中でもダントツに悪化していると言えるのです。

近年、街中を歩くと、牛丼やファミレス、コンビニエンスストアなど、低価格の商品をたくさん見かけるようになりました。このように選択肢が増えている中、お客さまから見ると、マクドナルドの商品は以前ほど魅力的に感じなくなってきているのかもしれません。

そもそも、マクドナルドのように比較的安い消費財を扱う商売は、非常に難しいところがあるのです。安価な商品ですと、お客さまは「マクドナルドじゃなければダメだ」とは考えにくくなります。他社のハンバーガーでも、さらには牛丼などでもいいと考える人も少なくないのです。それほど優位性が感じられないのです。

したがって、同じような立地に同じような価格帯のお店があれば、お客さまはそのときの気分でお店を選ぶようになり、ちょっとした差で売上げ、利益が大きく変わってしまうのです。

マクドナルドの場合、鶏肉問題などのインパクトのある事件が発覚し、その後の対応も十分ではありませんでしたから、余計に客離れが進んでしまったのかもしれません。

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