本来であれば、現在の米中にとってもっと重要な課題は、「インド太平洋地域における新たな紛争を抑止すること」であろう。
実際には北朝鮮や南シナ海など、いかにも「第3の発火点」となりそうな地域が存在する。これらの問題について、米中間で実のある協議が行われたようには思われない。むしろ習近平主席は、台湾問題に関する原則的立場を繰り返し、「中国は必ず統一されなければならない」と強調したと伝えられている。
つまり今年の米中首脳会談は、マイナスをゼロに近づけるのが精いっぱいで、何か大きな成果を挙げたとは言いがたい。何しろ来年のアメリカは大統領選挙の年である。共和党側はより「対中強硬姿勢」を求めて、民主党のバイデン政権を攻撃してくるだろう。この先は当分、米中首脳による会談は望み薄となる。今回のサンフランシスコにおける会談は、「この程度が関の山」と考えるべきなのであろう。
2024年は「選挙の当たり年」
そんな中で、来年は「選挙の当たり年」である。年明けの台湾総統選挙から、11月のアメリカ大統領選挙まで、しょっちゅう選挙をやっていることになりそうだ。
・ インドネシア大統領選(2月14日)
・ ロシア大統領選挙(3月17日)
・ 韓国総選挙(4月10日)
・ インド総選挙(春)
・ 欧州議会選挙(6月6~9日)
・ G7サミット(伊・プーリエ、6月13~15日)
・ パリ五輪(7月26日~8月11日)
・ 東京都知事選挙(7月)
・ 自民党総裁選(9月)
・ アメリカ大統領選挙(11月5日)
・ G20サミット(ブラジル、11月18~19日)
・ APEC首脳会議(ペルー、11月)
・ COP29(期日未定)
「もう無視できない!トランプ大統領復活の可能性」(9月23日配信) でも指摘した通り、来年の大統領選挙は「バイデン対トランプ」という2020年選挙のリターンマッチとなる可能性が極めて高い。そうだとしたら、「2期目のバイデン」と「復活したトランプ」はどちらがより世界の安全に資する選択といえるだろうか。
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