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「新NISA検討中の人」にこそ伝えたい"3つの弱点" どうやってリスクを避けて活用するとよいか

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  • 桶井 道 個人投資家(投資歴20数年)、物書き
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その年に大きな利益(譲渡益)を出しているときには、年内のうちに含み損を抱えてしまっている株式を売却して損切りし、あえて損失(譲渡損)を出すことで利益と相殺して税金を節約しようとする投資家もたくさんいます。

ところが、NISA口座で発生した損失は、この損益通算ができません。利益に税金がかからないので、損失にだけ節税効果があったらおかしい、ということなのかもしれません。

(イラスト:(c)中山成子、本書より引用)

いずれにせよ、NISAでの損失は節税効果のない純粋な損失になるので、特定口座などで生じる損失に比べればダメージが大きいと考えられます。

繰越控除もできない!

投資では、その年の利益の全部と相殺しても、相殺し切れないほどの損失が発生することがあります。

そうしたとき、特定口座などであれば相殺し切れなかった損失を、翌年以降に最長3年間まで繰り越して、翌年以降の利益と相殺することも認められています。

これを「繰越控除」と言います。

しかし、NISA口座ではそもそも損益通算ができないのですから、この繰越控除もできません。

(イラスト:(c)中山成子、本書より引用)

この2つの弱点があるため、NISAを使った取引では大きな損失を出すことをなんとしても避けるべきです。NISAでの損失は、節税効果のない純粋な損失だからです。

そのためには、大きな損失が出る危険性が高いハイリスク・ハイリターンな投資はNISAではしない、ということを鉄則にすべきであると私は考えます。

たとえば、狙いがあたったときの株価の爆発力は強くても、鳴かず飛ばずで値下がりする可能性も高い成長株への投資や、無配株への投資、新興国株などに投資することは、NISAでは避けるべきです。

こうしたハイリスクな投資をしたいのであれば、仮に損失が出たときでもその損失を節税に使える特定口座などで投資すべきではないでしょうか。

逆にNISAで狙うべきは、安定成長する投資信託や、配当利回りの高い高配当株および分配金利回りのよいETFです。高配当株でも、できれば業績の安定している大型株や、一見そこまで配当利回りが高くなくても、増配を通じて「じぶん配当利回り(=投資額に対する配当利回り)」が上がっていくような増配株を狙いたいところです。

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